日本のハーブ



古くから私たちの食卓にお馴染みの「和のハーブ」たちです。
大切に育み次世代へ伝えてゆきたいですね


1 あさつき ユリ科 Allium ledebouranum ネギ類の中では、穏やかな香味で薬味・茹でて酢味噌和え
春一番の香味山菜!・・
晩春から初夏ピンクの可憐な花をつけます。
エディブルフラワーとしても。
2 あしたば セリ科 Angelica keiskei 「今日葉を摘んでも明日になるともう葉が出てくる」
ところから命名
若葉を食用に
漬物・お浸し・汁の実などに・・
3 あんず バラ科 Prunus armeniaca 古代に中国から薬用として渡来
仁(種子)は杏仁ともいい漢方薬として使われます
果実は生食・缶詰・ジャムなどに・・
4 うど ウコギ科 Aralia cordata 各地の山野に自生
全株に特有の香りがあります
特に野生種は強い香りです
茎の歯ざわりは魅力・葉も食用に
天ぷら・和え物・煮物にも・・
根茎を乾燥させたものを「和独活」といい
解熱・鎮痛・駆風薬として、感冒・関節炎に
5 うめ バラ科 Prunus mume 中国四川省あたりの原産、奈良時代に渡来
花の香りが詩歌にうたわれて有名
鎌倉時代のあと果実の利用が始まり家の周りに植栽
古くは青梅を燻して薬用に使用
やがて梅干・梅酢・梅酒へと広がります
6 えごま シソ科 Perlla frutescens エゴマ油は珍重
茎葉はあまりいい香りがないのですが
炒った種子は香ばしいです
リノール酸豊富・ゴマと同量で擂り食卓に・・
7 かりん バラ科 Chaenomeles sinensis 中国の湖北省あたりに自生寛永年間に渡来
果皮及び果肉に香りがあり室内で楽しむほか
果実酒・砂糖漬け・薬用として用います
風邪の咳に効果あり
材は堅くて緻密で光沢があり
装飾をほどこす彫刻や額縁に向いています
8 きく キク科 Chrysanthemum morifolium "不老長寿"の薬用植物として中国から伝えられました。
花弁だけを浸しもの・白和えなどに・・
中国式に花弁を浮かした菊酒
葉のてんぷら等
9 きんかん ミカン科 Fortunella crassifolia 中国で金橘(キンチュイ)と書き・室町時代渡来
日本では金柑となる、金色のミカンの意
花や葉にも香りがあるが何より豊かな芳香は果皮の部分
風邪やのどの痛みに有効とされ古くから
民間薬として果実を利用
ミカン類の中で最も栄養価が高い
生食・砂糖煮・マーマレード・ゼリーなどに・・
10 きんもくせい モクセイ科 Osmanthus fragrans var.aurantiacus 中国西南部原産
ギンモクセイを母樹とする変種、雌雄異株で雄株のみ渡来
花茶や花酒で・・
11 くず マメ科 Pueraria lobata 日本各地の山野に自生、繁茂著しく、他物に絡まり
被覆された木は枯れます
花とつぼみに芳香がある
根は多量のでんぷんを含んでいて、
葛根湯(かっこんとう、解熱の漢方薬) になります
葛粉(くずこ)も採れます
12 くちなし アカネ科 Gardenia jasminoides 花はジャスミン・オレンジフラワーに似た強い芳香を
持っています
花は、お茶・香料などに・・
果実は漢方薬として知られ、民間薬では粉末にて使用
果実のクロシンという黄色の色素が有名で
染料として飛鳥時代から使われていました
食品色素としては、今日でも重要で、きんとんや
たくあんの色づけに用います
13 くり ブナ科 Castanea crenata 果実をゆで栗・焼き栗・きんとん・羊羹・栗ご飯などに
材は湿気に強いことから、建材・船材・橋・鉄道の枕木
などに用いられます
樹皮のタンニンは皮なめし・染料に
14 ごぼう キク科 Arctium lappa ヨーロッパ原産の多年草。種子を腫瘍や腎臓病の
薬として用いられました。日本に来て特有の歯ざわりや
香りを楽しむ蔬菜(野菜)に。
15 さくら バラ科 Prunus spp 慶事に飲まれる「桜茶(桜湯)」としての花
春の訪れを告げる「桜もち」に使われる葉。
桜茶用にはヤエザクラ・桜もち用には伊豆半島・
伊豆大島に自生するオオシマザクラが使われます。
家庭用には花後大きくなった葉を使用。香気成分はクマリン。
16 さんしょう ミカン科 Xanthoxylum piperitum 果実と葉に芳香成分シトロネラール・ジベンテン
辛み成分のサンショールを含みます。
木の芽といえばサンショウを指し、花をハナサンショウ
未熟果をアオサンショウ・熟果をミサンショウと呼びます。
果皮は七味唐辛子・幹は毒消効果を狙いスリコギに。
17 しそ シソ科 Perilla frutescens 漢方では発汗(感冒)・利尿・鎮痛剤として用いる。
赤シソ・青シソの2系統。保存は難しいので、身近に
育てて、欲しい時に採って食べたいですね。
青シソ・・ビタミン・カルシウム・鉄が豊富!
食物防腐・骨粗・貧血予防
赤シソ・・薬用としてはこちら、健胃・整腸・解毒作用
鎮咳
・防腐作用
18 しょうが ショウガ科 Zingiber offcinale 根茎の精油成分はジンギベレンなど、辛味成分は
ショウガオールなど。芳香性健胃薬・駆風・鎮咳・去痰に
カレー粉原料の重要なひとつで、料理
加工食品に多用
血行促進・食中毒予防
19 しょうぶ サトイモ科 Acorus calamus 根茎・葉に精油を含み芳香があります
邪気を祓うとされ「菖蒲湯」にして生葉を頭に
巻いたりします
打撲や捻挫に煎じ汁が有効
20 すぎ スギ科 Cryptomeria japonica 風媒花のため、花粉を多く散らす雄花と
丸い堅固な雌花があり、花粉症の元凶とも・・
無花粉化が叫ばれています
枝葉と幹材に香気成分を含みます
材の香りを酒樽・割り箸などに・・・
枝葉は線香・仏前に用いる抹香に
21 すぎな トクサ科 Equisetum arvense 春早くツクシ、続いて緑色の小枝が段々状の節に
輪生する茎が伸びてスギナに。
多量のミネラル・各種ビタミンが豊富
貧血・強壮剤のハーブティー
膀胱炎・止血・化膿キズに・・・
明るい黄土色の染料に
酸性土壌を好む
22 せり セリ科 Oenanthe javanica 葉茎に特有の芳香があります
冬季の、香りと緑の野菜で、春の七草のひとつ
神経痛・血圧降下に有効です
23 そば タデ科 Fagopyrum esculentum 縄文時代末期中国より渡来
ビタミンB1の一種ルチンが豊富
高血圧・心臓病・動脈硬化・糖尿病・肝疾患などの
生活習慣病の予防に有効
膵臓を守る働きもあります
ソバの実を香ばしく炒ったソバ茶にも同様の効果

24 たで タデ科 Polygonum hydropiper 小川のほとりなど湿ったところに自生する1年草。
葉に強い辛味、刺身のつまを中心に日本料理には欠かせない
繊細な姿のイトタデ・鮮やかなベニタデ、ムラサキタデ
など種類も豊富・すがすがしい香りが特徴
25 ちゃ ツバキ科 Camellia sinensis 中国西南部原産800年代渡来
茶の湯文化の繁栄とともに日本文化に定着
歴史、政治に深く関わりつつも私たちの生活になくては
ならない飲み物になっている
不発酵茶・・緑茶 発酵茶・・紅茶 半発酵茶・・ウーロン茶

強力な抗酸化作用を持ち、ガンや心臓病の予防に効果大
26 つくし トクサ科 Equisetum arvense スギナの胞子茎
節部のハカマを取りお浸し・和え物・汁の実で
春の風情を楽しむ
27 つるむらさき ツルムラサキ科 Bosella rubra 熱帯アジア原産のつる性植物
若い茎や葉を野菜として、黒紫色の果実は食の染料に
ビタミンA・K・Cやカルシウムが豊富
骨粗鬆症予防・美肌効果
粘り成分のルチンは、胃の粘膜を保護する作用
28 とうがらし ナス科 Capsicum annuum 辛み成分・カプサイシンはスパイスとしてだけでなく
肺炎・リウマチ・神経痛に有効で、健胃駆風剤など薬用にも。
赤色のもと、カロチノイド、ビタミンA・C、有機酸が多く、機能性
食品(薬効のある健康食品)として有望
29 どくだみ
(十薬)
ドクダミ科 Houttuynia cordata 「毒を矯める(どくをためる)」からドクダミ
「十種もの薬に匹敵するから」十薬と・・
デカノイルアセトアルデヒド・ウラルアルデヒドなどの
精油を含み抗菌性があり、排膿・解毒作用を持ち
利尿・高血圧・痔・便秘にも有効
ベトナムやペルーでは生葉をサラダで・・(オドロキ!!)

生葉をもんで虫刺されに・腫れ物に
ドライをティーに・葉や根を天ぷらに・・・整腸・美肌効果
30 なずな アブラナ科 Capsella
Bursa-pastoris
神経伝達物質である、エセチルコリンを含んでいます
副交感神経を刺激して、平滑筋の運動を起こさせるので
製薬もできています
民間薬で目の痛む時に、全草か種子の煎汁を洗眼に用いた
腎結石に禁忌・
妊婦の方は控えていただくのがよろしいでしょう
過敏症の皮膚に炎症を起こす場合があります
31 にら ユリ科 Allium tuberosum 食欲増進・防腐制菌の薬効あり。整腸作用があるので
ニラ粥は、下痢のときなどに著効あり。
秋に咲く星型の白い花は必見!
32 のびる ユリ科 Alliuumm nipponic 全草に淡いネギ臭
鱗茎は随時生食や酢みそ和えで
春出たばかりの新葉も美味
虫さされの痒みに鱗茎をつぶしてぬると効果あり
33 はこべら ナデシコ科 Stellaria media 春の七草のひとつ
やわらかい葉のついた茎はサラダや茹で野菜に
葉や茎に「サポニン」を含有
皮膚の炎症や湿疹を改善・強壮効果もあり
34 はまなし バラ科 Rosa rugosa 「ハマナス」鳥取県以北の日本海側と、茨城県以北の
太平洋側に自生
花が素晴らしい香り・・
ロサ・センティフォリアと共通の香気成分を有し
ローズオイルの原料に
35 はまなしの実 バラ科 Rosa rugosa 黄赤色に熟し多数の種子を含む
ロサ・カニナ ロサ・センティフォリアとともに
「ローズヒップス」の代表
ビタミンCが豊富、風邪に有効
緩化作用があるので便秘にも有効
大量摂取は下痢の原因に
36 ひのき ヒノキ科 Chamaecyparis obtusa 古くから重要な建築材として用いられています
枝葉の精油は石鹸、芳香剤などの香料に
幹材・根株の精油は殺菌・合成薬品に
材そのものは建材・お風呂・船舶材に
樹皮はかつて、屋根葺き材として使われました
37 ふきのとう キク科 Petasites japonicus 早春多数の苞葉で包まれた花「フキノトウ」はお馴染みですね
春の香りといえば「フキノトウ」といわれるほど・・
全体に精油を含み、特に蕾に強香

民間薬として蕾を鎮咳・健胃に用いる
38 ふき キク科 Petasites japonicus 雌雄異株で雄花茎は花が終わると枯れ
白い雌花茎は伸びて30cmほどになり冠花をつけた
果実を飛ばして繁殖します
葉柄のフキは、野菜として、煮物やつくだ煮などに・・
39 まつ
(アカマツ)
マツ科 Pinus densiflora 全木に芳香あり、特に傷から生じた「松脂」に
松脂からテレピン油を採取、医薬(強力な抗酸化物質が多くの
効用を示す)
また、塗料・化学合成品に
建材・船舶・家具など広い分野で活躍
水にマツの葉を浸した「マツ水」は夏におすすめ
40 みつば セリ科 Cryptotaenia iaponica 爽やかな香りの和の代表ハーブ。香味を活かした日本料理
には、欠かせません。ビタミンA・C、鉄、食物繊維が豊富
食欲増進・ストレス解消・美肌効果大。加熱し過ぎに注意
41 みょうが ショウガ科 Zingiber mioga 代表的な日本のハーブ。香り成分αピネンには
食欲増進の効果があり、カリウム食物繊維が豊富
薬味・天ぷら・甘酢、味噌漬けなどで味わう
42 よもぎ キク科 Artemisia princeps モチグサの名で親しまれています
葉を乾燥したものを漢方で艾葉(ガイヨウ・艾・・ヨモギ)といい
鎮痛・止血・強壮葉とし浴湯料として神経痛・肩こりに
生葉の汁液は虫刺され、切り傷によい
乾燥葉をすり砕き綿毛を集めてものが「モグサ」で灸に使われます
妊婦の方禁忌・アルコール類、鎮静系ハーブや
サプリメント、医薬品との併用に注意
43 らっきょう ユリ科 Allium chinense 鱗茎に特有の香り・歯ざわり
酢・砂糖・はちみつ・焼酎などに漬けて楽しみます
コレステロールの低下に有効
44 わさび アブラナ科 Wasabia japonica 全草、特に肥大した円柱状の根茎に、シニグリンという
配糖体を含み、すりおろすと酵素の働きで、芥子油を生じ
爽やかな辛さを感じます。食欲増進・防腐殺菌に有効