以下の説明では,OSはWindows 95,Lynx_w32JはVersion 2.8.5dev.5を前提にしています。
W3CによるHTML 4.0の勧告以来,Web Accessibilityが強調されるようになってきました。 パソコン雑誌でもそういったWebページ作りを勧めていますが,そのために重要な役割をするのが,Lynx(リンクス)などのテキスト・ブラウザーです。 ここではWindows 95でのLynxの使い方を主体にして解説していきますが,Windows 98/Me/NT/2000でもほぼ同じだと思います。 また,解説はPC/AT互換機を基本にしながら,NEC PC-9800シリーズでの相違点も書いておきました。 キー表記は,ジェネリック キー表記です。
もとはカンサス大学の研究計算サービス(Academic Computing Services)のLou Montulli,Charles Rezac,及びMichael Grobeによって設計された,テキスト・ベースのWebブラウザーです。 それから多くの人によって改良され,UNIXやOS/2など,今では様々なOSに対応したものがあります。 以下述べるのはWindows 95/NT 3.51以降の日本語版で動作するLynxで,これをLynx for Win32 日本語環境対応版とかLynx_w32Jと呼ぶことにします。 尚,単にLynxと言う場合は,OSの環境に依存しない全てのものを指しています。
下図は,Lynx_w32Jの実行画面例です。
![[Lynx_w32Jの実行画面例]](lynximg.jpg)
下記以外にも方法はいくつかあると思います。
PATH C:\Lynx;C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\COMMAND SET LYNX_CFG=C:\Lynx\lynx.cfg SET HOME=C:\WINDOWS\TEMP1行目では,Lynx_w32Jを解凍したフォルダーのパスを付け加えます。 ここでは C:\Lynx に解凍したとしてC:\Lynx;というのを付け加えました。 もし最初からPATH(あるいは SET PATH=)の行がなければ,C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\COMMANDというのも書いて下さい。
STARTFILE:file://localhost/C:/Lynx/help/lynx_help/lynx_help_main.htmlLynx_w32Jを起動した時,最初に表示される場所(つまりホーム・ページ)を指定します。 ここではヘルプ・ファイルにしてあります。
HELPFILE:file://localhost/C:/Lynx/help/lynx_help/lynx_help_main.html次に,ヘルプ・ファイルの場所です。
DEFAULT_INDEX_FILE:file://localhost/C:/Lynx/BOOKMARK.HTMこれはiキーを押すことで表示される索引(インデックス)の場所です。 ここではとりあえずLynx_w32Jに付属のブックマーク・ファイルにしました。
では,実際に動かしてみましょう。
C:\WINDOWS>lynxこれで,前述の設定例ではヘルプ・ファイルが開くはずです。
以下述べることは,Version 2.8.1dev.22以前のLynx_w32Jを対象としています。 それ以降のバージョンではPC/AT互換機と同じキー操作ができるようになりましたので,このセクションを読む必要はありません。
初期設定では,NEC PC-9800シリーズ(以下,PC-98)でのカーソル移動に方向キーは使えません。 代わりにテンキーを使うか,カナキーをオンにして方向キーを使うか,あるいはSHIFT+方向キーで使うか,どれかになります。 しかし lynx.cfg を編集することで,PC/AT互換機のように方向キーを使うことが可能になります。 ただし,PC-98でもWindows NT 4.0の場合は lynx.cfg を書き換える必要はありません。
以下,編集箇所を示します。
#KEYMAP:0x100:PREV_LINK # Move to the previous link #KEYMAP:0x101:NEXT_LINK # Move to the next link
#KEYMAP:0x103:PREV_DOC # Return to the previous document #KEYMAP:0x102:ACTIVATE # Select the current link
KEYMAP:0x1c2:PREV_LINK # Move to the previous link KEYMAP:0x1c8:NEXT_LINK # Move to the next link
KEYMAP:0x1c4:PREV_DOC # Return to the previous document KEYMAP:0x1c6:ACTIVATE # Select the current link行頭の #(シャープ)を取り,0xAAAの部分をそれぞれ書き換えます。
書き換えができたら,Lynx_w32Jを起動します。 これで方向キーが使えるようになります。 この時,テンキーも同時に使えます。
また,フォーム(テキスト入力フィールド)においては今まで通り,方向キーもテンキーも使えません。 この場合,TABキーを使えば下方向のみ移動ができますが,カナキーをオンにして方向キーを使えばうまく移動できます。
別の方法として,oキーを押して表示されるOptions MenuでMキーを押してemacs keysをオンにすれば,CTRL+N,CTRL+Pでそれぞれ下方向,上方向への移動ができるようになります。 しかしemacs keysを有効にするということは,さらにCTRL+B,CTRL+Fもそれぞれ左方向,右方向への移動に割り当てられてしまいます。 したがって,それまでCTRL+Bなどのキーに割り当てられていた機能は使えなくなりますので注意して下さい。
ヘルプ・ファイルの「キーストロークコマンド」や,kキーを押して表示されるCurrent Key Mapに各キーに割り当てられた機能が書かれていますが,数が多く初めのうちは混乱するかもしれませんので,特に覚えるべきキー操作を示しておきます。
DEFAULT_EDITOR:c:\Program Files\Hidemaru\Hidemaru.exe次のようにも書けます。
DEFAULT_EDITOR:C:\PROGRA~1\Hidemaru\Hidemaru.exeエディターの設定は,oキーを押して表示されるOptions Menuからでもできます。
EXTERNAL:mailto:start "C\:/Program Files/RIMArts/Rebecca/Rebecca.exe" mailto\:%s:TRUE次のようにも書けます。
EXTERNAL:mailto:start C\:/PROGRA~1/RIMArts/Rebecca/Rebecca.exe mailto\:%s:TRUEmailto: のリンクでは,Enterキーではなく.(ピリオド)を押せば,EXTERNAL: で設定したメール・ソフトが起動します。
FOCUS_WINDOW:TRUEこれでLynx_w32Jがアクティヴになります。 しかしWindows 98の場合はウィンドウの切り替えがうまくなされません。
画像を見たり音声や動画を再生するには,まずLynx_w32Jをインストールしたフォルダの samples フォルダにある mailcap ファイルと mime.types ファイルを,環境変数 HOMEで指定した場所にコピーします。
画像を見るには,コピー先の mailcap ファイルに,お使いの画像閲覧ソフトのパスを記述すれば設定完了です。 ここでの画像ファイルとは,BMPファイル,GIFファイル,JPEGファイルです。
GVを使うなら,例えば次のように mailcap ファイルに記述します。
image/bmp; C:/PROGRA~1/GV/GV.exe %s image/gif; C:/PROGRA~1/GV/GV.exe %s image/jpeg; C:/PROGRA~1/GV/GV.exe %s
次のようにも書けます。
image/bmp; C\:\\PROGRA~1\\GV\\GV.exe %s image/gif; C\:\\PROGRA~1\\GV\\GV.exe %s image/jpeg; C\:\\PROGRA~1\\GV\\GV.exe %s
どちらの場合もProgram Filesと書くと動作しませんので,注意して下さい。 以下では,全て最初の書き方に統一しています。
Webページ上から実際に画像ファイルを表示するには,*(アスタリスク)キーを押し,角がっこ([ ])で括られたIMGタグの箇所でEnterキーを押して下さい。
Windowsで関連付けられているアプリケーションを使うなら,単に次のようにして下さい。 これは画像だけでなく,音声や動画の再生でも同じです。
image/bmp; start %s image/gif; start %s image/jpeg; start %s
画像を見る時と同様にコピー先の mailcap ファイルに記述するわけですが,初期設定では何も書かれていませんので,MIMEタイプとプログラムのパスの両方を記述します。 %s は,プログラムにファイル名を渡す働きをしますので,必ず書いて下さい。 ここでの再生ファイルとは,AIFFファイル,WAVファイル,MPEGファイル,QuickTimeファイル,AVIファイルです。
AIFF,QuickTimeの再生にはQuickTime Playerを,WAV,MPEG,AVIの再生にはWindows Media Playerを使う設定例です。
audio/x-aiff; C:/PROGRA~1/QUICKT~1/QUICKT~2.EXE %s audio/x-wav; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s video/mpeg; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s video/quicktime; C:/PROGRA~1/QUICKT~1/QUICKT~2.EXE %s video/x-msvideo; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s
今度は,AIFF,WAV,MPEG,AVIの再生にはActiveMovieコントロールを,QuickTimeの再生にはQuickTime for Windows 2.1.2を使う設定例です。 この場合,QuickTime VRムービーを見るにはQuicktime Browser Plug-Inをインストールしておく必要があります。 ActiveMovieコントロールは,再生するファイルのパスに空白があると再生できません(ActiveMovieコントロール Version 1.0及びVersion 2.0で確認)。
audio/x-aiff; C:/WINDOWS/RunDll32.exe AMovie.ocx,RunDll %s audio/x-wav; C:/WINDOWS/RunDll32.exe AMovie.ocx,RunDll %s video/mpeg; C:/WINDOWS/RunDll32.exe AMovie.ocx,RunDll %s video/quicktime; C:/WINDOWS/PLAY32.EXE %s video/x-msvideo; C:/WINDOWS/RunDll32.exe AMovie.ocx,RunDll %s
WAV,AVIの再生に,Windowsに標準添付のメディア プレーヤーを使う設定例は次の通りです。
audio/x-wav; C:/WINDOWS/MPLAYER.EXE %s video/x-msvideo; C:/WINDOWS/MPLAYER.EXE %s
実際に再生するには,それぞれのアンカーでEnterキーを押すだけです。
上記以外のものについては,いくつかの設定をする必要があります。 ここでは実際Webページ上でよく使われているMP3,MIDI,RealAudioを再生するための設定例を示します。
まず lynx.cfg ファイルで,mime.types ファイルの内容を反映させるようにします。 lynx.cfg に次の1行を書き加えて下さい。
PERSONAL_EXTENSION_MAP:mime.types
次に,コピー先の mime.types ファイルに以下の内容を付け加えます。
audio/mpeg mp3 audio/x-mpegurl m3u audio/x-midi rmi mid midi audio/x-pn-realaudio ra rm ram
最後に,mailcap ファイルにMIMEタイプとプログラムのパスを記述します。 MIMEタイプは必ず mime.types ファイルに記述したものと同じものを書いて下さい。 例えばMP3,MIDIの再生にはWindows Media Playerを,RealAudioの再生にはRealPlayerを使う際の mailcap ファイルへの記述例は次の通りです。
audio/mpeg; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s audio/x-mpegurl; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s audio/x-midi; C:/PROGRA~1/WINDOW~2/MPLAYER2.EXE %s audio/x-pn-realaudio; C:/PROGRA~1/Real/REALPL~1/realplay.exe %s
以上の設定後,Lynx_w32Jの実行中にアンカーでEnterキーを押せば再生されます。 しかしRealAudioの場合,RealPlayer以外に関連付けされるようなプログラムはほとんどないでしょうから,RealPlayerのパスを書かずに単にstartと書いた方が楽かもしれませんね。
さらに外部ヘルパー・プログラムを設定したい時には,上記と同様に mime.types ファイルにMIMEタイプとその拡張子を書き,mailcap ファイルにMIMEタイプとヘルパー・プログラムのパスを書いて下さい。 そうすれば,好きなだけ,いくつでもヘルパーを設定できます。 ただローカル環境でヘルパーが起動できても,オンライン上ではヘルパーが起動しないことがあります。
それでは一つだけ例を挙げておきます。 PNGファイルの閲覧にGVを使う設定例です。
mime.types ファイルへの記述は以下のようにします。
image/png png
mailcap ファイルへの記述は次の通りです。
image/png; C:/PROGRA~1/GV/GV.exe %s
FORMS_OPTIONS:FALSE
レジストリに変更は一切加えませんので,インストールしたフォルダーごと削除して下さい。 AUTOEXEC.BAT に加えた変更は,追加したPATHは削除し,環境変数 LYNX_CFG,HOMEの行は先頭にREMと書き加えるか,削除すればOKです。
PATH C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\COMMAND REM SET LYNX_CFG=C:\Lynx\lynx.cfg REM SET HOME=C:\WINDOWS\TEMP
後はインストールの際に変更を加えたフォルダーやファイルを削除し,コンピューターを再起動すれば完全にアンインストールできます。
WindowsでLynxを使う時に,とても参考になるWebページの紹介です。
以上で,Lynx_w32Jの使い方について簡単に述べてみました。 後は,Lynx_w32Jをインストールしたフォルダの README.TXT や,その下のDOCSフォルダにある USAGE.TXT,TIPS.TXT を読んで下さい。 これらのファイルには,Lynx_w32Jをもっと実用的にカスタマイズする方法などが書かれています。 また,問題点は NOTES.TXT に,Q&Aは LYNX_QA.TXT に書かれています。
Lynxについて説明している他のWebページやLynx_w32Jに付属のテキスト・ファイルは,どちらかというとUNIX系のOSを使用したことがある方向けに書かれているように思われます。 Lynx_w32Jのダウンロード数はかなり多いのに,反響がほとんどないのは,「使い方が良く分からない」という人が多いのではないかと思い,このページを作成しました。 最後に,このページの作成に快く賛同してくださった千秋広幸さんに,深く感謝いたします。