以下のページでは,私が持っている録音・映像資料を中心に,ロシア,CIS諸国,バルト三国のアーティストの紹介と,そのアルバム・レビューを載せています。 ところで,ページを御覧になるのに先立っていくつか注意点がありますので,まずはそれについて述べておくことにします。
まず,上の目次で出身地の書いていないアーティストは,すべてロシア出身です。 また,おすすめ!!となっているのは,私が特に気に入っているアーティストというだけでなく,一般的な評価も高いアーティストです。
ロシア語等,英語以外の外国語のアーティスト名や作品名の読み(発音)は,(私が分かるものについてのみ)できるだけ原音に近いように表記しているつもりですが,それほど厳密ではありません。 その理由は,何を意味するかが伝われば,それで良いと考えているからです。 アルバム・タイトルや曲名の日本語訳もほとんど私が考えたものですが,翻訳の正確さよりも,その内容が伝わることを優先しましたので,厳密には少し不正確なものがあるかもしれません。 また,リトアニア語等,このページの文字コード(JIS)では直接テキスト表示できない言語の文字は,その形が最も似ているラテン文字で置き換えてあります。 (例えば,アーティスト名のGIRNU GIESMESはラテン文字表記です。 著者目録には原語の正確な文字で表記してあります。)
それから音楽様式(music style)の説明について。 音楽様式とは,メロディ,リズム,主題等によって表現される個性的な作品の特質のことです。 (「ジャンル」という言葉はあえて使用していません。 なぜなら,ジャンルとは,世間で広く認められている一音楽様式に対して使われるのが適当だと考えるからです。 ここではもっと詳細で分かりやすい表現をするために,「ジャンル」という言葉は使用しないことにしています。)
最初に,音楽様式を記載する目的とその意義について説明することから始めます。 例えば,メタル音楽は歴史が浅いにも拘らず,その方向性は様々に分化しており,まさに百人百様のスタイルがあると言っても過言ではありません。 また,たとえ同じアーティストのアルバムでも,同じようなスタイルの曲ばかりが収録されているとは限りません。 このように,現代のメタル音楽のスタイルは非常に多様になっています。 しかしこのような状況は,聴き手にとっては,目の前の資料にどのようなスタイルの音楽が収録されているのかを想像することを難しくしています。 どのような音楽が収録されているのかが分からなければ,その音楽資料に対しての関心も薄れてしまうでしょうし,それは,人々が様々な文化に触れる機会を奪うことにもなりかねません。 もちろん一つ一つの音楽を虱潰しに聴いていけるのなら,それにこしたことはありませんが,それは非現実的なことだと思います。 そこで,ある程度言葉で限定することにより,例えば自分好みの音楽を探すための無駄な労力を省くことができるでしょう。 したがって,音楽様式を与えることにより,未知の音楽に対するアクセス性を高めることができると思います。
ところが音楽様式を細かく与えることで,その音楽資料に対して特定の否定的なイメージを与えてしまい,それによって目的とは逆に,様々な文化に触れる機会を遠ざけてしまうのではないか,という反論が考えられます。 それは言い換えれば,全く音楽様式を与えなかった場合に,かつ一つ一つ音楽を虱潰しか,あるいは偶然関心を持つことによりその音楽を聴くことができた場合に,音楽様式が与えられていれば聴かなかったであろうスタイルの音楽が,偶然自分好みの音楽だったり興味ある音楽だった,という場合を想定しての反論です。 確かにそのようなことが起こり得ないとは言えません。 しかし実際に,音楽様式が全く与えられていない場合に,虱潰しに聴いていく人や,せいぜいアーティスト名やタイトルだけを見て興味を持ってその作品を聴こうとする人は,いたとしても非常に稀な存在だと思います。 したがって,アクセス性を高める上でも,そしてそのアーティストや作品の宣伝の上でも,音楽様式を与えることは充分に価値のあることではないでしょうか。 また,もともと知らなかったという観点に立てば,たとえ音楽様式を与えられていても知らないままだったわけですから,そういう意味では何ら損失を被るものではありません。
さらに,上記のような反論は論理的には誤謬推理をしていることが前提となっています。 例えば,「過去にAlternative Rockに区分されている音楽をいくつか聴いたことがあったが,どれも好きな音楽ではなかったので,Alternative Rockに区分されている音楽はすべて自分の好みではない」と考えることです。 論理的には,自分の特殊な経験を一般化しても必然性は導かれませんので,常に例外がある可能性があると考えるべきなのです。 また,上記の反論は個人の物の見方に依存した問題でもあり,音楽様式を与えることを拒否する理由にはなり得ないと思います。 というのは,そもそも複数の作品を一つの音楽様式として分類できるからには,それらには何か共通するものがあるからであり,その共通した音楽的な部分が好みでないということは,現実的にあり得ることだと思います。 そのために特定の音楽様式を敬遠するということがあってもおかしくないでしょう。 しかし,実際の音楽にはそのような想像をも越えている場合があります。 実際に聴いてみたところ,好みの音楽様式を与えられていても気に入らなかった作品もあるでしょうし,興味がなかった音楽様式の作品だったとしても,意外に良かったという感想を持つことがあるのではないでしょうか。 これは私自身にも経験があることですし,同じような話は他の人からも聞いたことがあります。 したがって,ある音楽様式に対して固定的なイメージを抱き,そのイメージのために特定の音楽様式に分類されている作品やアーティストを拒否するというのは,論理的には誤謬推理をしていることになり,価値観としても狭い物の見方であると言えるでしょう。
さて,以上で音楽様式を与えることが正当化されましたので,次に音楽様式の与え方について説明します。 まず音楽様式の区分の仕方についてですが,実際に行われている音楽様式の区分は,単にメロディやリズムによる区分だけなのではなく,主題別の区分も含まれています。 つまり,複数の区分原理(メロディ,リズム,主題等)を用いて総合的な判断が行われていることになり,言い換えれば交叉分類が行われていることになります。 (このことは,作品やそれらを演奏するアーティストに対して音楽様式を一意に決定することを難しくしています。) そして,音楽様式の細かな区分には音楽学的な実体のみによる定義はないと考えられ,実際の区分には主として言語表現が用いられています。 よって,現実に音楽様式を与える場合には任意性が認められることになります。 以上のことから,ある音楽資料に対して一意に音楽様式を定めることは困難な場合があると思われますので,記述者によって異なる音楽様式が与えられる可能性があります。 つまり,必然的な命名の仕方はないと考えられますので,当サイトでは原則として私個人の感覚によって作品やアーティストの音楽様式を説明しました。 また,アーティスト自身が自分の音楽に対して名付けている呼び名があれば,それを採用しました。 それから音楽様式の表記は慣習に倣って英語表記にしてあります。
各アーティストの概要には関連サイトとして,できるだけ分かりやすい情報を得られると思われるサイトを選んでいます。 オフィシャル・サイトがあればそこへリンクを張りました。 また,関連サイトが複数ある場合は,リンク集:ロシア,CIS諸国,バルト三国のメタル・アーティストに列挙してありますので,そちらを御利用下さい。
次に録音・映像資料のレビューについて。 レビューは,カヴァー・デザインやブックレットの内容等よりも,ほとんどは,カセット・テープ,CD等に収録されている録音物及び映像物に対して行っています。 これは私の満足度についても同様です。 そして各アルバムのレビューは,各資料やそのアーティストのオフィシャル・サイトなどから得たデータ以外は,すべて私の推測と好みに依存しています。 ページを御覧になって作品を評価される際には,そのような不確定要素が多く存在するということを御了承下さい。
そして私の満足度について。 私の満足度は,★マークの5段階で評価されています。 その内訳は,★:残念ながら聴く気が起きない,★★:あまり好きではない,★★★:あってもなくても良い,★★★★:割と良いがもうちょっと,★★★★★:かなり気に入っている,です。 この評価の基準は私個人の関心や好みによっており,世間一般の評価や有名音楽評論家による評価ではありません。 参考のために,出所が判明しているものについては,ロシアのメタル専門誌『DARK CITY』((C) DARK CITY)や日本のメタル専門誌『BURRN!』((C) 株式会社バーン・コーポレーション)の評価も点数のみ併記しておきました。 『DARK CITY』の評価は(内訳はわかりませんが)★マークの5段階評価で,『BURRN!』の評価は(5段階評価をしているDEMOLITION欄を除いて)100点満点中での点数です。
ここで注意していただきたいことは,そもそも評価をするには,そのための基準の存在を前提しなければなりません。 私の満足度がいくら私の好みに依存しているとは言っても,評価をするには基準がある以上,その基準の類似度によって,ある程度は評価に客観性を持たせることは可能なはずです。 (「ある程度は」と限定しているのは,常に自分の評価基準が完全に同じであるとは考えられないからです。 今までの経験から,その時の気分―これは周囲の状況によって変化しうる―や,その時に抱いている先入観の内容,音楽の再生に関与する機器―ヘッドホンも含める―,音量の大きさ等の機器での設定によっても変化することがあると感じていますし,そもそも自分の評価基準を完全に明確に意識することは不可能だろうと思うからです。 しかし,評価基準にはある程度の幅はあれど,全くつかみどころがないということはないと思います。) 客観性を持たせることができる(つまり,個人の関心や好みには何か傾向性を見出すことが可能である)からこそ,自分の評価を参考資料として公表することに価値があるのです。 また,様々な人の感じ方を知ることができるという点では,参考資料として価値のない評価はありません。
ところで,私の満足度を5段階評価という粗い評定にしたのは,前述したように自分の評価基準が常に一定でないことや,評価基準を細かく分析することは不可能だと思うからです。 それにあまりに細かい基準を用いても,たいして意味があるとは思えません。 したがって,私は『BURRN!』の100点満点という評価,つまり101にも区分された細かすぎる評定を理解することはできません。 (そもそもコーナーによって評価の仕方を変えるということ自体,私には理解しがたいものです。) 以上の観点から,私の満足度に対する利用価値を検討していただきたいと思います。
また,専門誌の点数とはいえ,その評価を行っているのが個人であるという点においては私の評価と同等の価値がありますので,専門誌だからといって私の評価より利用価値があるとは必ずしも言えません。 つまり,現実には音として聞こえる様々な一連の空気の振動が存在しているだけであり,私たちはそれらを統合された音楽として認識しているわけです。 その音の状態や変化(例えば,疾走感があるかどうか)については,ある程度客観的な表現ができます。 しかし音楽を評価するということは,客観的な要素だけでなく,最終的に個人としてその音楽が好きか嫌いかという価値判断を下すことに他なりません。 価値判断は言うまでもなく客観的事実ではありません。 それは,一つの音楽として認識された一連の空気の振動に対する個人の情的な重みづけであり,簡単に言えばその人にとっての「好みかどうか」ということになります。 したがって,音楽に対する個人の評価には,基本的に優劣や正誤を問うことはできないと思います。 (尤も,その音楽の特徴を的確につかむ能力や,それを分かりやすく表現することにおいては,一般に多くのメタル音楽を聴いている専門誌のスタッフの方が上手かもしれません。 しかし最終的に下す価値判断には優劣も正誤もないのです。 なぜならそれがその人の心的現実だからです。 したがって,行われた価値判断に対して優劣や正誤を問うことは誤りであるということになります。)
また,私のレビューや満足度を示すだけではあまりに偏った情報のみを提供することになるかもしれませんので,見つけられたものについては,他の方が書かれたレビューへもリンクを張ることにしました。 これは前述したように,参考資料として価値のない評価はないという私の見解に基づいています。 また,その人の評価が自分にとってどのような意味があるかをもっと深く知るには,他のアルバムに対する評価も共に参考にする必要があると思いますので,そのような観点から,相手の方の評価について検討していただきたいと思います。
以上のことから,私の満足度(あるいはレビューも含めた評価)に利用価値があるかないかは,評価される皆さん個人の評価基準と私の評価基準の類似度が高いか低いかによってのみ判断可能なのだと思います。 好みの類似度を検討することはかなり難しいかもしれませんが,私のレビューや満足度を示すことによって,多少は参考になるだろうと期待しています。 また,ロシア,CIS諸国,バルト三国のアーティストの音楽は日本ではあまりにも知名度が低いために,以下のレビューや満足度を見ても,自分の好みとどれほど似ているかが判断しにくいかもしれません。 そのために,ロシア,CIS諸国,バルト三国以外のアーティストについてで,日本でも有名なロック,メタル・アーティストのアルバムについても評価をしてみましたので,私と皆さんの好みの類似度を比較する際の参考にしていただけたらと思います。
もし気になるアルバムがありましたら,私やメタル専門誌等の評価は気にせずに,まずは音を聴いてみることをおすすめいたします。 なぜなら,いくら詳細なレビューを読んでも,実際に音楽そのものが頭の中で再現されるわけではないからです。 文字だけからなるレビューと実際に聴く音楽とは,あくまでも別の次元の存在です。
しかし,レビューや私の満足度を示すことに意味がないとは思いません。 自分自身の評価を述べることは,知られていない多くの音楽に対するアクセス性を高めることにつながります。 また,好みの音楽をより効率的に見つけ出し,楽しむことが可能になります。 そのような点に評価を述べることの価値が存するのです。
また,当サイトではアルバムのカヴァー・デザイン(ジャケット画像)は掲載していません。 実際にアルバムを購入する動機として,俗に「ジャケ買い」(どんな音楽が収録されているのかを知らずに,ジャケットのデザインの気に入り具合で購入すること)と呼ばれるものがあることは知っていますし,私自身も経験があります。 しかしカヴァー・デザインをこのような公の場で無断掲載することは,著作権法により違法とみなされます。 あくまで引用の範囲であると主張する人もいるようですが,どのように画像全体を縮小しようとも決して引用ではありません。 (著作権法を読めば理解できるはずですし,実際に私は社団法人 著作権情報センターの電話相談により違法であることを確認しました。) そして,どのような方針を掲げようと無断で掲載することは明らかに違法行為ですし,私はそのように自分に不利益をもたらす行為をしようとは思いません。 また,掲載の許諾を得ようと思っても,実際に正式な許諾を得るには手間がかかりますので,その手間を省きたいがためにも,当サイトではカヴァー・デザインを掲載しないことにしています。
最後に録音・映像資料の品番について。 カセット・テープ,CD等の録音・映像資料には一般に品番と呼ばれるものが記載されています。 メタル専門誌やレビューをしている他のサイトでもこのような番号を載せている場合を多く見かけます。 しかし,私が当サイトで紹介している資料に関しては,特に記載する必要はないと思っています。 実際に海外のディストリビューター(販売元)へアルバムを注文する場合でも,通常,アーティスト名,アルバム・タイトル,アルバムのフォーマット(カセット・テープかCDか等)を伝えるだけで何の問題もなく注文できます。 (私の経験上,品番が必要だと言われたことは一度もありません。) 情報の重要度から考えても,品番よりも出版者(リリース元・発売元)や出版年(リリース年・発売年)の方が重要であるというのが一般的な了解です。 もしどうしても知りたいと思われるなら,著者目録に記載してありますので,そちらを御利用下さい。