岡山県津山市河辺943-1
 
 

痔事始め 
■痔(ぢ)事始め

 統計によれば 日本人の半数は、自分に「痔の症状がある」と思っています。 大変身近な病気であるために軽視しがちで、そして「恥ずかしい」と思うが故に、治療を受けるのが遅れて、かなり重症になるまで放置されたケースが多くあります。また大腸ガンを痔だと決めつけて、進行させたままになったケースも少なからずあるのです。

 「痔」という文字が、やまいだれに寺とあるのは、死ぬまで治らないからだとも言われてきましたし、実際過去の著名人が終生痔で苦しんだ様子も書き物として残っています。昔はまともな治療法もなく、痔ろうになった娘さんが、肛門から膿が出て治らないため、お嫁にもいけずに、つらい生涯を送ったと言う話もあったに違いありません。しかし現代では肛門病は治療さえ受ければ、思ったよりずっと簡単に治ってしまうようになりました。

 そのむかし、当院院長もお尻を切られてしまったのです。肛門周囲膿瘍、痔ろうでした。元々は消化器外科の人間ですから、肛門の手術は仕事の範囲に入っているのですが、自分が手術を受けるまでは、多くの消化器外科の医師がそうであるように、院長も痔にはあまり興味を持っていませんでした。ガンを切って治してこそ外科医の本懐、とそんな意識だったのです。

 しかしいざ自分が手術を受けてみますと、従来の切開、ガーゼ挿入法だったので、毎日のガーゼ交換の痛いこと、筆舌に尽くしがたい程でした。そして大開脚姿勢のまま、日頃一緒に仕事をしている知り合いばかりの手術部の看護婦に囲まれては、さすがの院長もそれこそ恥ずかしさで気が遠くなる思いでした。これは大変な病気だ。つくづくそう思いました。何とか痛みが少なく完治に至る手術を模索しなくては、と。
 それ以来、真剣に肛門疾患に首を突っ込む・・・いや指を突っ込む態度になっていったのです。

  そしてついに開業していた親の元に帰らず、昭和60年10月、この地に岡外科胃腸肛門科を開設するに至りました。


 肛門疾患の患者さんに、「できるだけ痛みを伴わずに根治性の高い手術ができたら」との思いからでした。自分の体験から、当院では出来る限り患者さんの羞恥心にも気配りを行っています。

 


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