Z A K K A N  BUCKNUMBER

第六回「私の選ぶ2002年ベストアーケードゲーム」(2002年12月掲載)


え〜、もうそろそろ2002年も終わりですね。
そこで、毎年個人的に決めている「今年のベストアーケードゲーム」を書き留めていこうと思います。
ちなみにこれ、決めているのは1997年あたりからなのですが、

1997年・・・Gダライアス
1998年・・・beatmania2ndMIX
1999年・・・ミスタードリラー
2000年・・・GUILTY GEAR X
2001年・・・機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン(DX)

・・・としてきました。

一応、この選考基準としては
●いかに多くの人の人気を掴んだか
●どれだけ斬新かつ面白いシステムであるか

を特に重視しているつもりです・・・が、最終的な判断は私自身が「これ、面白い!」と思うか否かなのですけどね(^^;


さて、それでは今年私が選んだベストアーケードゲームですが・・・

WORLD CLUB Champion Football SERIE A 2001-2002

・・・まあ、今年のアーケードシーンはこのタイトルを置いて語る訳にはいかないでしょう。
それだけ革新的かつインパクトのあるタイトルであったと思います。

私自身常々思っている事は、トレーディングカードゲーム(以下TCG)とアーケードゲーム(特に対戦もの)の性質がよく似ているという事です。
TCGは他人と対戦するものですので、基本的に一人では遊べません。
ですから、対戦相手を探したり新しい情報を求め、デュエルスペース(TCGの対戦や情報交換の為に作られた場所)へと足を運ぶわけです。
・・・これ、対戦格闘ゲームとよく似ていますよね?
つまり、ゲームセンターはゲームのジャンルが違うだけで、その性質はデュエルスペースと同じなんですね。
だからこそ、TCGを使うアーケードゲームが出れば絶対受ける!という思いがありました。
このタイトルは、私のその考えをようやく実証してくれたタイトルでもあります。

ただ、このゲームはまだまだ多くの問題点を抱えています。
ゲーム開始までに\1000以上かかる事、ベースのシステムはDOC(ダービーオーナーズクラブ)からほとんど進化していないという事、1プレイ\300円という敷居の高さ・・・などなど。
肝心の試合も、基本的にはCPUに指示を送る形になるので、その人のスキルが反映されにくいと感じました。
ですので、過去のベストアーケードゲームタイトルと比べると、少し弱いかなぁ・・・という感じは否めません。

しかし、まだまだTCGを使ったゲームは掘り下げられると思います。
そして、その進化に期待をかけられるだけのタイトルだと思ったので、このタイトルをベストアーケードゲームに選ばせてもらいました。


さて、という訳で1番は↑に決めたのですが、他にも印象に残ったタイトルがいくつかあります。

●麻雀格闘倶楽部(全国オンライン対戦Ver.)
●頭文字D Arcade Stage
●GUILTY GEAR XX
●怒首領蜂 大往生

上の2タイトルは、既存のジャンルにも関わらず、オンライン対戦や磁気カードの導入による新しいゲーム性を打ち出しました。
下の2タイトルは、まだまだ需要の高いジャンルに最高ランクのクオリティで応えた貴重な作品です。
この4タイトルは今年の多くのゲームセンターの売り上げを支えたタイトル、という点も高く評価しています。


・・・つらつらと書いてきましたが、そろそろまとめたいと思います。
今年発売されたゲームを振り返って思う事は「手軽に遊びにくくなったなぁ」という感じです。

磁気カードによるプレイデータの記録は確かに長く遊ぶきっかけになりますが、継続プレイを前提としているだけに「試しに1プレイだけ・・・」というアーケードゲームならではの遊び方がやりにくくなっているのも事実です。
それは結果として、ライトユーザーの足が更に遠ざかっていく要因にもなっていく結果に繋がりかねません。
しかも、そういった設備はコストもかかるので、ゲームセンター側としても苦慮しているのが現状ではないでしょうか。

それを補完する意味でも、シンプルかつ奥の深いゲームの重要性が更に増しているように思えます。
今でもガンダムDXを置いてあるゲームセンターがほとんどなのも、そういった需要がまだまだある証拠ではないでしょうか?

他にも、今年は同じジャンルのゲームが色々なメーカーから発売されたり、稼働日が同じ時期に集中するなど、メーカー側の戦略の甘さも目に付きました。
そういったバッティングは、一度に沢山のゲームを買わねばならない事になるゲームセンター側にとっては、とても辛いものになります。
さらにそれが同じジャンルならば客も分かれてしまい、一機種ごとのインカムも低くなり、経営側にとってはダブルパンチです。
この辺りの課題もこれから先、ますます重要になってくると思います。

毎年ゲームセンターが減っている厳しい現状で、来年はどんなゲームが出るのでしょう。
それが毎年、楽しみでもあり、恐ろしくもあります・・・

・・・あ、そういえばBEMANIの話が無いですね(^^;
まあ、こちらの方はまた機会がありましたらまとめたいと思いますが、今年のBEMANIは(も?)進化といえるものは少なかったように思います。
ただ、IIDXやpop'nは未だに高い人気を誇っているし、来年以降はe-AMUSEMENTの真価が発揮されそうなので、まだまだ期待は持てそうです。
後はコナミの経営判断次第ですかね・・・

TOPへ