ほたる出版はこう考えています




夏草を揺らしながら、ここちよい川音を立てる清流。
暑い初夏の一日が終わり、ほっと一息つきながら水辺に目を落としたとき、夜の闇に点々と舞う蛍の光。
こんな情景を目にしたのは、あなたが幾つくらいの頃まででしたか?
ほんの20〜30年前の日本では、こんな夏はあたりまえでした。しかし今、この「ぜいたく」を手にできる人々は、どのくらいいるでしょうか。

里山は荒され、川は汚され、田畑に農薬はまかれ、そのうえ人工の過剰な明りに照らしだされる現代の日本には、蛍の光を美しく演出してくれる漆黒の闇もなくなってしまいました。
豊潤な闇をなくした人間の精神は、その陰影の濃淡も、彫りの深さも失い、ただ薄っぺらで、遊び心も持てない平板なだけの日常に汲々としています。

夜のやすらぎを奪い、四季折々の風情をなくし、エネルギーばかりを無駄につかった「効率のいい暮らし」が、果たして、人間を本当に幸せにするでしょうか。なにかがおかしい、どこかが狂っていると感じている人は少なくないはずです。

それは、環境問題だけに限ったことではありません。安全も未来への影響も無視したその場限りの利益至上主義の企業姿勢、いのちや死への深い洞察を欠落させた現代医療のあり方、真の意味での宗教観の欠如、損得の感情ばかりを優先させる心貧しい人間関係など、数えあげれば切りがありません。



私たち≪ほたる出版≫では、21世紀の社会を構築していく基本は、エコロジー思想だとの観点にもとづき、社会のしくみも人間の精神もそこを出発点にすべきだと考えています。衣・食・住をはじめとして、心のありように至るまで、「人間にとって、よろこびに満ちた本当に豊かな暮らしとはなにか」の問いかけを、地道に、しかし深刻ぶらずに続けていきたいと思っています。

社会の片隅で生き、他よりほんの一歩先に目覚めた先駆者的な役割を果たす人々。そうした人々の発想・活動・思想を、広く社会に浸透させていくことを目的として出版社を設立しました。

今、先駆的な発想や活動は、闇に浮かぶ蛍の光です。
蛍の光の一つひとつは、はかなく小さいけれど、数しれない光の乱舞が、いつしか人々の心を虜(とりこ)にするように、大自然がつくり出すまっとうな光は、やがて世の中を変えていくたしかな力になるはずです。

蛍飛ぶ豊かな夜を取り戻すことができたとき、私たちが住むこの日本の国土も、精神のありようも、今よりは少しは多様性に富み、ゆとりある暮らしが実現すると信じて、ゆっくりと歩を進めていくつもりです。




■HOME PAGEへ

ほたる出版について 

ほたる出版の書籍案内 

本の内容についてもっと詳しく

新刊紹介

書籍の購入方法 原稿募集について