春の香り


君がため 春の野に出でて 若菜摘む   
                      我が衣手に 雪は降りつつ       光孝天皇

即位なさる前、大切な人の健康長寿を願って春の若菜を贈られた時に
詠まれた和歌だそうです
七草粥に用いた若菜らしいのですが・・・
清涼感とやさしさあふれるこの句がgreenの学生の頃の記憶から湧き上がってきてしまったので。

注意;類似種に気を付けること・若芽はちがう種でもとてもよく似ていて、判別しかねる場合もあります 
秋の、きのこ同様ご注意を!
また投薬中の方・妊婦の方など、摂取制限のあるものもありますので注意が必要です

      




フキノトウ(キク科) 
春を告げる山菜の代表です
フキの花で多数の苞葉で包まれます
雌雄異株で雄花茎は花が終わると枯れ
雌花茎は伸びて30cmほどになり(フキ)白色の冠毛をつけた果実を飛ばして繁殖します
民間薬としてつぼみを鎮咳・健胃に用います

    

ナズナ(アブラナ科)
万葉の昔から摘み草の対象とされ、日本人好みの微芳香を葉に含んでいます
越年草、秋に生え根生葉を地面に広げます 葉は先が大きい羽状深裂
春に花茎を出し白色の四弁花を総状につけ、下から咲き上がります
神経伝達物質である、エセチルコリンを含んでいます
副交感神経を刺激して、平滑筋の運動を起こさせるので製薬もできています
民間薬で目の痛む時に、全草か種子の煎汁を洗眼に用いました
腎結石に禁忌・妊婦の方は控えていただくのがよろしいでしょう
過敏症の皮膚に炎症を起こす場合があります

     

ヨモギ・マグワート(キク科)
モチグサの名で親しまれています 草もちおいしいですよね!
葉を乾燥したものを漢方で艾葉(ガイヨウ・艾・・ヨモギ)といい
鎮痛・止血・強壮葉とし浴湯料として神経痛・肩こりによく
生葉の汁液は虫刺され、切り傷によい
乾燥葉をすり砕き綿毛を集めてものが「モグサ」で灸に使われます
妊婦の方禁忌・アルコール類、鎮静系ハーブやサプリメント、医薬品との併用に注意


カワラヨモギ・ニガヨモギ・ワームウッド(キク科)
ヨーロッパ原産の多年草
茎の高さは1mにもなり、多数分岐し根茎は木質化します
銀白色の絹毛に覆われ、全体に強い芳香を放ちます
この強い芳香が苦味とあいまって芳香健胃剤として用いられます
アルコール分68%の緑の酒「アブサン」はこれを浸して作られました
しかし、今日では成分のαピネン・アブシントール・ユーゲノール・アニスアルデヒドなどの
濃い抽出液は有害だとされ多くの国で禁じられています
素人療法は避け、口に入れないようにしましょう
衣類の防虫に用いられてきました


クレソン・オランダカラシ(アブラナ科)
ピリッと快い辛さと特有の香気を持ち、ビタミンCや鉄分が豊富です
肉料理の付け合せ・サラダに、スープ・ハンバーグなどに混ぜたり浅漬け・和え物もいかがでしょう
里の裏庭の沢で自生しています



ヒメスイバ・ソレル・スカンボ(タデ科)
ヒメスイバは、豊富なピタミンA,ピタミンBが特徴です 
カルシウム、鉄分、マグネシウム銅、ヨウ素、マンガン亜鉛などのミネラルも豊富です
またリンゴ酸、抗酸化剤のクエン酸などの、有機酸も含まれています
ビタミンAは、白血球を増殖させることにより免疫系統を強化させます
抗酸化作用に優れています

    

ミツバ(セリ科)
早春を告げる清々しい香りの香味野菜
香り成分のクリプトテーネン&ミツバエンには食欲増進・神経を落ち着かせる作用があります
ビタミンA・C 鉄分・食物繊維が豊富です
ストレス解消・美肌効果・視力改善
加熱し過ぎると香り・食感が落ちてしまうので注意

★このページは自然豊かな安達太良の山麓と   
greenの里(阿武隈山系)の春の野の画像です

母子草 オオイヌノフグリ カキドオシ セリ科の花 ハコベラ
ダンディリオン 自生のカラシナ ゴボウ シロツメクサ 桑園の陽だまり
仲良し松ぼっくり ムラサキツメクサ シイタケ 一面のオオイヌノフグリ 芽生え




フキノトウの笑顔
4月半ば、雨上がりの野に出ましたら・・・
あまりのかわいらしさに、シャッターを押し続けてしまいました
しばらくの間、紳士・淑女のこぼれるような笑顔を堪能してください
☆白花は紳士・黄花は淑女です

(雄花茎は枯れます・・greenの認識不足でした!
枯れたのは、なんと黄花だったのです。
★黄花は紳士・白花は淑女です)

 居間に暮らすフキノトウ→フキへ




大切なひとの胸元を 飾ってあげたい春一輪です
自然の織りなす造形美に思わず息をのんでしまいます

里山に  乙女の如き  ほほえみの
                   われを迎えし  君輝いて    Green